ドラッカー『経営者の条件』

冬休みに読み直しました。初めて読んだときは学生でしたから、当然ながら今のほうが思い当たる点がポロポロでてきて身に染みます。優先順位の付け方や意思決定の方法を意識するようになり、エグゼクティブの仕事は「成果をあげること」であり、それは習得できるものだというメッセージに勇気づけられます。元気の素になるアイテムのひとつです。


■現代社会は
知識を基盤とする組織が中心的な存在になった。「組織の社会」である。

■知識労働者とその成果
~"物"を生産しない。アイデアや情報や概念を生産する。
~組織の目的に貢献して初めて成果をあげることのできる人たちである。

知識労働者の生産物は、それだけでは役に立たない。だれかほかの者、ほかの知識労働者がそれを利用し、新たな生産物に変えて、はじめて現実の世界のものとして役に立つ。...したがって知識労働者には、肉体労働者には行う必要のないことが必要となる。すなわち、みずからの成果を他者に供給することである

■エグゼクティブとは
今日の組織では、自らの知識あるいは地位のゆえに、組織の活動や業績に対し、実質的な貢献を行なうべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである。...経営管理者のすべてではないが、そのほとんどが、物事をなすべき人間、すなわちエグゼクティブである。しかし現代社会では、経営管理者ではない者も、その多くがエグゼクティブである。


■成果をあげる能力
成果をあげるエグゼクティブは、...千差万別である。...タイプや個性や才能では、成果をあげないエグゼクティブと、まったく区別が出来ないといってよい。成果をあげるエグゼクティブに共通しているものは、彼らの能力や彼らの存在を成果に結びつけるための習慣的な力である。

1)何に自分の時間がとられているかを知ることである。
そして、残されたわずかな時間を体系的に管理することである。

2)外部の世界に対する貢献に焦点を当てることである。
仕事からスタートしてはならない。「期待されている成果は何か」を自問することからスタートしなければならない。

3)強みを基準に据えることである。
そして上司、同僚、部下についても、彼らの強みを中心に据えなければならない。できることを中心に据えなければならない。出来ないことからスタートしてはならない。

4)優れた仕事が際だった成果をあげる領域に、力を集中することである。
優先順位を決定し、その決定を守るように自らを強制しなければならない。最初に行なうべきことを行なうことである。二番目にまわすべきようなことは、まったく行なってはならない。

5)成果をあげられるよう意思決定を行なうことである。
意思決定とは、つまるところ、手順の問題である。そして成果をあげる意思決定は、過去の事実についての合意ではなく、未来についての異なる意見に基づいて行なわなければならない。また、数多くの意思決定を手早く行うことは、間違いである。行なうべきは、基本的な意思決定である。諸々の戦術ではなく、一つの正しい戦略についての意思決定である。


■優先順位の決定
に関しては、いくつかの重要な法則がある。それらの法則は、分析ではなく、勇気にかかわるものである。
1)過去ではなく未来を選べ。
2)問題ではなく機会に焦点を合わせよ。
3)横並びではなく独自に方向を決めよ。
4)無難で容易なものではなく、変革をもたらすものに照準を高く合わせよ。


■意思決定のプロセスはいかにあるべきか

1)常に、問題は一般的であるという前提にたたなければならない。
真に一般的な問題/その組織にとっては特殊だが実際には一般的な問題/真に例外的で特殊な問題/新しい種類の一般的な問題の最初の表れとしての問題。たいていの問題は一般的な解決策(原則、方針、政策)による解決を必要とする。

2)意思決定が満たすべき要件、すなわち境界条件を明確にする。

3)(満たすべき境界条件を満足させるうえで)何が正しいかからスタートする。
やがては妥協が必要になるからこそ、最初から、だれが正しいとか、何が受け入れられやすいという観点からスタートしてはならない。

4)意思決定を行動に変えること。
意思決定は、そもそもの最初の段階から行動へのコミットメントを意思決定の中に組み込んでおかなければ、成果をあげることは出来ない。

5)意思決定の基礎となっている仮定を現実に照らして継続的に検証していくために、意思決定そのものの中にフィードバックの手だてを講じておかなければならない

このブログ記事について

このページは、砂智久が2009年1月25日 23:53に書いたブログ記事です。

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